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Ruby Gold受験レポート

書いた人: @kcscarrot-konno

こんにちは、H2開発グループの今野です。

この記事は、ケーシーエスキャロット Advent Calendar 2025の3日目の記事です。

今年2月にRuby Gold(正式名称: Ruby Association Certified Ruby Programmer Gold version 3)を受験し、合格することができたので勉強の様子などをお伝えしようと思います。

実は合格直後にこの記事の下書きを書いた気配はあったものの、うだうだしているうちに完全に機を逸してしまっており…… アドベントカレンダーのお祭りムードに乗じて供養しようともしています。Ruby本体は4.0のリリースも目前に迫る中ですが、今後受験される方の参考になればうれしいです。

勉強開始(=2025年1月中旬)時点でのRuby経験値

  • Rubyを業務で使っていた経験年数としては1年強程度
  • それ以前に1年半ほどRubyで競技プログラミングを集中してやりこんだ経験がある
  • オブジェクト指向プログラミング自体は業務で10年以上やっている
  • Ruby Silverを2024年6月に取得
  • Silver取得以降、一応だらだらGoldの勉強をしてはいた
    • (余談)当初2024年12月頃に受験するつもりでいたら10月下旬にひどい風邪を引いてしまい、スケジュールがだいぶ狂った

勉強の様子

「受験に向けて勉強する集中力は長く見積もっても2か月くらいが限界だな」と思っていたので、2月中旬に受験をするつもりでお正月休みが明けた頃に申し込んでいたようです。

ちゃんと受験日を決めた以降の勉強期間としては1ヶ月弱程度、2月中旬の受験に向けて本格的に焦り始め勉強に取り掛かったのが1月下旬ごろ、1日あたり1時間半~2時間程度を使っていたので、累計の時間としては40時間前後くらいになるでしょうか。web上の受験レポートを見るとだいたい勉強時間の相場は実務経験に応じて25~50時間という感じなので、やっぱりそのくらいなんだなと思いました。 それに加えて、自分が運営している地域.rbでメタプログラミングRubyの読書会を毎週やっていたのも確実に勉強の補助になっていたと思っています。

内容は概ね練習問題解き+解説の読み込みをメインとしてやっており、ノートはすべて手書きで取りました。若干IT業界の人間らしからぬ話ですがタイピングより手書きの方が記憶の定着にもよいという研究があるという話を知ったのと、自分の手ごたえとしても自分の手で文字に起こした方が頭に入っていく気がするという感覚があったからです。
Ruby Silverの勉強をしていたあたりからメモ帳サイズのルーズリーフがお気に入りで、これを単語帳のように使って自分専用の要点メモを作っていました。試験当日の待ち時間で読み返すときにもかさばらず便利でした! ついでに、自分で謎にプレッシャーをかけて試験直前にヘロヘロになっていた気持ちに「これだけ頑張ったんだから大丈夫!」と言い聞かせるための視覚的効果もあったかなと思っています :rofl:

そうやって色々調べていると「このメソッドはどこに定義されているんだろう、ModuleClass?もしかしてKernel??」となったりすることがありました。そんなときはるりまサーチで確認するのがとても便利でした。どこに定義されているのかバッチリ教えてくれます!

勉強した範囲に限れば3系同士であればバージョン差異で困ることはほとんどないと思いますが、Ruby技術者認定試験の対象バージョンは3.1です。この記事を書くにあたってざっと3.2から3.4のリリースノートを読みましたが、Ruby Goldの範囲内で混乱しそうなのは(実際に差分を突くような問題が出るかはさておき)以下のあたりでしょうか。

  • 匿名の可変長引数と可変長キーワード引数を引数として渡せない(3.2からの機能)
  • it の取り扱い(3.3でブロック内での引数なしでの呼び出しに警告が発生し、3.4からデフォルトのブロックパラメータとして使えるようになる)
  • 3.4以降では frozen_string_literal の指定がない場合、文字列リテラルに破壊的な変更を加えようとすると警告が出る

また私は競技プログラミングでRubyを覚えたと言っても過言ではないタイプの人間でして、業務におけるプログラミングと比較したときに競技プログラミングであまり使わない分野として明確に不慣れだった分野がありました。それがクラスやモジュールの取り回しとメタプログラミング関連の内容です。
これに関しては練習問題で間違える度にノートを見直し、不足している知識を補っていきました。ちょうどその頃担当していた案件でメタプログラミングを活用したコードが多く、勉強を進めるにつれてコードの読みこなしが各段に楽になっていったことはとても印象的でした。

受験を終えての感想

私は業務でのRubyの経験がない状態での中途入社だったので「早くRubyプログラマーとして一人前にならなければ」という気持ちが強く、かといって何から理解すればよいのか?と悩んでいたところによい指標となってくれたと思っています。実際にRuby Goldに合格したことで、Ruby自体に関することであればいちプログラマーとしての自信はそこそこ付いたのですが……Railsも覚えることがたくさんあり、まだまだ学びが多い毎日を過ごしています。今後も精進します。

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